GREETING 9582

日本商工会議所 会頭 ご挨拶

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日本商工会議所
会頭 三村 明夫

日本商工会議所青年部第34回北海道ブロック大会網走大会の開催にあたり、一言ご挨拶を申しあげます。

長引く新型コロナウイルスの影響により、足腰の弱い中小企業、とりわけ宿泊、飲食、交通などでは、厳しい状況が続いています。ワクチン接種の進展は大きな希望であり、感染防止と経済活動の両立が期待されます。コロナ禍は我々に様々な困難を与えましたが、同時に我々は多くのことを学びました。それらの課題解決に向け、3点に取組むことが求められます。

第1に、コロナ禍は人々の価値観・生活様式を変え、中小企業も新しい時代に合わせて自らの業態転換が必要となりました。環境が変化する中、中小企業の強みである「自己変革能力」を発揮し、事業承継推進、マーケットが必要とする商品開発、新市場進出、生産性向上など積極的なチャレンジが求められます。その際デジタル技術の活用が大きな力となります。政府は様々な支援メニューを用意し、商工会議所も「パートナーシップ構築宣言」の普及を通じ民間同士の連携を後押ししています。YEGの皆様もパートナーシップ構築宣言の趣旨に賛同していただきたいと思います。

第2に、従来から自然災害や少子化のリスク等、過度な大都市集中リスクが指摘されていましたが、コロナ禍は、大都市集中リスクを明確化しました。転職なき移住、ワーケーションなど、地方分散の動きを一時的なものにとどめず、テレワークなども活用し、「地方創生の深化」に取り組まねばなりません。農林水産業のスマート化、若者の活躍を軸とした地域の魅力の磨き上げ、将来復活するインバウンド需要取り込みなどが、地方創生の深化の内容となります。

第3に、パンデミックや大規模自然災害などの危機対応のため、再び日本を強く豊かな国にする努力が必要です。危機時に対応できる医療体制、国産ワクチン開発、またグローバル経済の効率性を一部捨てても、経済安全保障やサプライチェーン強靭化が重要です。さらに、パンデミックの際、国民の命と生活を守る準備も必要です。国全体でこうしたレジリエンス、すなわち「戦略的ゆとり」の確保には、日本を「強い豊かな国」にすることが不可欠です。経済成長や財政健全化の必要性に新しい意味が加わりました。

これら山積する課題解決には、経済の主役である我々民間の力、とりわけ地域の次代を担うリーダーであるYEGの、先導者たる気概とチャレンジが極めて重要です。

吉川会長は、「FOR ALL YEG」をスローガンに掲げ、ウィズコロナ時代の新たなYEG活動を追求していくため、積極果敢に事業を展開されています。

全国のYEG同士の交流を支援し、YEG活動の課題解決や活性化を図る「単会マッチング」、経営者としてのスキルアップに直結する「オンライン研修会」、渡航制限下での国際ビジネスチャンスを創出する「海外ビジネスセミナー」、新しいビジネスプランの磨き上げを支援する「ビジネスプランコンテスト」など、デジタルを積極的に活用した、YEGのレベルアップに役立つ事業への取り組みを心強く感じています。

YEGは「成長への貢献」、「地域と共にワクワクする未来創り」に努力しており、こうした活動に大いに期待しています。

日本資本主義の父で、YEG世代の38歳で東京商工会議所の初代会頭となった渋沢栄一翁は、江戸から明治へと時代が変化し、独立国家として発展するためには、「民間の力で日本を豊かにする」との信念を貫きました。同じ志を持つ仲間とともに日本に必要な産業を興し、また新しいシステムの導入など果敢にチャレンジし、日本の発展に大きく貢献しました。

渋沢栄一翁の主張した「私益と公益の両立」は、言うは易く実行は難しいことですが、渋沢翁のDNAを受け継ぐYEGの皆様は、企業の社会的責任を自覚し、自身の成長や自社発展のみならず、地域の課題解決にも、立ち向かっていただきたいと思います。日本商工会議所は、全国の515商工会議所ならびにYEGの皆様の挑戦を全力で後押しします。

結びに、大会のご成功と、ご参会の皆様のますますのご発展をお祈り申しあげ、私の挨拶といたします。

 




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